私からの合理的配慮のお願い

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※この文書を作成した経緯につきましては、ひとつ後の記事を参照願います。
http://kazuya075.blog12.fc2.com/blog-entry-349.html


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「私からの合理的配慮のお願い」

【1】この文書についての基本的事項
(1)この文書は、心身の機能上の問題により日常生活上において発生している個々の障害を、障害を訴える当事者個人の問題として片付けないことを前提として書いています。社会に存在する様々な物理的・心理的な障壁が放置されることは、困窮を訴える人を障害者としてラベリングし社会から締め出す最大の要因となっています。社会上の障壁という考え方について疑問を持たれる方は、個々の記述を問う前に、社会上の障壁について学び、考えを深める機会を先に持ってください。
(2)この文書は、日常生活上において発生している個々の障害が、当事者本人の努力だけでは解決が極めて難しいことを前提として書いています。自助努力だけでは解決できない障害特性が存在することについて疑問を持たれる方は、個々の記述を問う前に、その障害特性について学び、視野を拡げる機会を先に持ってください。
(3)この文書は、障害についての理解を深めようと思われている方に向けて書いているものですから、簡潔さよりも分かりやすさに力点をおいて書いています。その結果として文章が堅く長いものになってしまうことは、どうぞご了承願います。なお、理解が難しい箇所を具体的に指摘してもらえれば、理解がしやすくなるよう別の方法で説明を付け加えるように努めますから、その都度お知らせください。
(4)この文書は、私自身が必要としている合理的配慮について述べたものですから、他の当事者に直ちに当てはめるものではありません。自らが必要としている合理的配慮は、個々の当事者が自ら教えなければならない事柄だということをご理解ください。
(5)この文書は、私から一方的に要求するものではありませんから、配慮することを拒む前に、まずは自らが必要としている合理的配慮を教えてください。お互いに配慮しあえる関係を構築したいと私は考えていますから、思いを理解しあうことで建設的な話し合いができることを願っています。
(6)この文書は固定化されたものではありませんから、状況の変化や支援者からの提案等により、記述内容は刻々と変化します。なお、変更を提案された箇所のうち、現在も検討を続けている部分については、アンダーラインを引いています。

【2】合理的配慮についての基本的事項
(1)合理的配慮とは、障害の有無に関わらずお互いに心地よく社会で暮らしていくために必要とする最低限の配慮を言います。
(2)合理的配慮は、皆が幸福を追求するための機会を等しくし、皆が同じ程度の努力で達成できることを目的とします。
(3)合理的配慮は、その必要性が理解され実践できるものでなくてはなりません。そのため、合理的配慮を求める場合には、当事者自らの責任において、その理由と方法を丁寧に説明する必要があります。心身の機能上の問題で、自らの意思を的確に表現することに困窮している場合がありますから、第三者から説明の支援を受けることを否定するものではありません。
(4)合理的配慮は、相手に対して一方的に要求するものではありません。相手に対して物理的・心理的に過剰な負担を求めたり、相手の事情を考慮しない強引な要求を認めたりするものではありません。
(5)合理的配慮は、一人の人間として生きていくために最低限必要としている事柄ですから、これを否定しないでください。もし実現が不可能であったり他の合理的配慮との両立が困難な場合は、拒絶するのではなく解決法を一緒に考えてください。

【3】発達障害についての基本的事項
(1)発達障害とは、出生時もしくは乳幼児期に「発達段階において獲得すべき機能」の一部もしくは全てが、何らかの理由により獲得が不十分だったことに起因して、日常生活上において著しい困窮が発生している状態を言います。
(2)発達障害は、乳幼児期に発見されれば、専門的な療育により発達を補うことができる場合があります。成人後は当事者本人の努力により獲得もしくは代替できる機能もありますが、成人を対象とした療育法は現在も未だ確立されていません。
(3)発達障害の当事者は、成熟した言動を見せる一方で、獲得が不十分な能力も併せ持っています。このために人とは違った言動をすることについて、当事者個人の問題として叱責することはしないでください。但し、当事者本人の故意で、他人に危害を加えたり、大きく秩序を乱したりするような場合については、この限りではありません。
(4)発達障害の当事者は、個々の状況に応じて精神障害・知的障害・身体障害の各制度下に分離収容され、それぞれに支援を受けています。これらは全て現行の縦割り制度が招いた弊害であり、発達障害をひとつの障害として理解することの妨げともなっています。総合的に支援しようという動きは、まだ始まったばかりなのが現状です。

【4】私自身が必要としている合理的配慮
◎基本的事項
私は広汎性発達障害の当事者であり、この障害に起因する日常生活上の困窮により抑うつ状態に陥りやすい特性があります。自閉的傾向があるために、計算能力や記憶能力に大きな偏りがあり、運動能力についても一般の人よりも劣る傾向があります。記憶能力については、自分に興味のある分野においては驚異的な能力を発揮しますが、それ以外のことについては、特に文字列や数字を暗記することに日常的に困窮しています。このため、人の顔や特性を覚えたり理解したりすることが難しく、人と接すること自体にも困窮が伴います。計算能力においても暗算ができず、相手の心の動きを読むことができないため、不必要な衝突や緊張を強いられ、コミュニケーションをはかる上で大きな障害となっています。幼児期からこれらのことを理由に虐められることが多く、これが成人後も劣等感の要因となって、孤立することへの恐怖心や権威への依存につながっています。

1.追い込まないでください
私は自閉的傾向があるために、いくつもの作業を同時にすることができません。人とのコミュニケーションは特に高度な作業であり、話し手としては些細であったり無自覚であったりする言動であっても、私にとっては重大な困窮をもたらす要因となる場合があります。それを完全に取り除くことは不可能に近いですから、私はその都度可能な限りその旨を伝える努力をしています。この時、私からの訴えを無視もしくは否定して、困窮をもたらす言動を続けることはしないでください。発信者が自らの価値観や行動様式を強要することは、発信者が意図する意味の理解や冷静な判断を行うことを妨げることになります。意図が伝わらないばかりか、その先へ続くはずだった話し合いの機会を奪う結果になりますから、故意の有無に関わらず、頭ごなしに同意を求めたり、勢いに乗じて畳み掛けることは決して得策ではないということを理解してください。
但し、心身の機能上の問題で配慮を実現できない場合は、私としても配慮に代わる最良の方法を一緒に考えますから、必ずその旨を教えてください。

2.負のイメージを与えないでください
私は相手より聴いた内容を理解することに、人よりも時間がかかります。そこへ威圧・恫喝・嘲笑などの負のイメージが加わると、より直接的に感受するために正常な判断が阻害されます。判断力を奪われた状態では、どのような内容の話であっても受け止めることができなくなります。非効率であるばかりでなく、攻撃されたという記憶だけが残るため、今後の会話にも深刻な悪影響が残ります。
但し、私が故意に他人へ危害を加えたり、秩序を大きく乱したりするような言動については、この限りではありません。

3.曖昧な表現はしないでください
私は相手が発する言動を複合的に判断することを苦手としているため、どうしても表面上の言動や言葉尻に引っ張られる傾向があります。経緯や周囲の状況を考えれば理解できるような内容であっても、私一人の力では判断がつかない場合や、相手が伝えようとしていることとは異なる解釈をしてしまうことが多くあります。冗談が冗談だと理解できずに傷ついたり、「適当に」や「早めに」等の曖昧な表現に混乱することもあります。最後に一言冗談だと言い添えたり、具体的な注意点や期日を指示する等の工夫をして頂けると、とても理解しやすくなります。
また、目的もなく質問をしたり声をかけることも極力ご遠慮ください。コミュニケーションを苦手としていることの裏返しで、判断のつかない言動が不必要な誤解や不安を招き、心労を重ねることにつながっています。もし丁寧に表現することを苦手としている方が居られましたら、なるべく第三者に加わってもらい、話の仲立ちをしてもらうようにお願い致します。

4.話そうとするのを遮らないでください
私は相手に誤解させることなく思いを伝えようと努めるため、どうしても言葉が長くなる傾向があります。決して無駄な言葉を重ねている訳ではありませんから、途中で発言を遮ることはしないでください。発言を再開するまでの間、私の思考は停止しますから、その間に話された内容を受け止めることができません。非効率であるばかりでなく、邪魔されたという記憶だけが残るため、今後の会話にも負の影響が残ります。
但し、私が誤解や逸脱をしている時、帰結点を見失い発言が堂々巡りになっている時、何らかの理由により緊急に会話を中断する必要がある場合は、この限りではありません。

5.整理して考えるための時間をください
私は相手より聴いた内容を理解することに時間がかかります。その内容を基にして新たな考えを切り開くためには、それ以上の時間を必要とします。私に対して言動や成果物の修正を求める場合には、その旨を理解して考えるための時間をください。すべてを整理して自らの考えを再構築するためには、最低でも丸一日かかります。決して、その場で承諾を強要することはしないでください。自己を否定されたという思いばかりが強く残り、冷静な判断を阻害する要因となります。

6.人と違う方法を用いることで差別しないでください
私は複雑な課題を効率よく処理することができないため、過去の経験から得た方法により、自らにとって最も効率的な手法をとることがあります。あまり一般的ではない方法も含まれるため、時には不可思議な行為をしているように見えることがあります。
具体的には次のような行為です。

▽記憶や計算の能力に偏りがあることへの諸々の対策
・複数の作業を同時にすることを避け、一つずつ切り離して作業をしようとする。
・まとめて口頭で説明されるよりも、手順を一つ進むごとに説明書を読む方が理解しやすい。
・必要以上にメモや写真に記録を残そうとする。
・二桁以上の計算は、単純な式であっても電卓を使う。
・先読みして計画を立てることができないため、時間を前倒しして行動する。
・場の流れや相手の動きを読む将棋や麻雀などの遊びは、基本的に参加しない。
 →無理に参加せず別の機会を待ち、別の遊びの時に参加する。

▽受容と受容に基づく行動をするための能力に偏りがあることへの諸々の対策
・作業するための空間や道具が確保されていないと、落ち着いて作業ができない。
 →小さな隙間的空間であっても、固定的に専有できる場所があれば安心できる。
・実際上は問題のない些細な失敗であっても、成果物を修正したり作り直したりする。
・失敗の危険性がある仕事は、高報酬であっても引き受けない。
 →報酬が少なくとも、コツコツと地道に積み上げるような仕事を選ぶ。
・失敗を承知で引き受ける場合は、その責任を一人で背負い込まないよう条件を整える。
・全ての行動に事前の心積もりが必要なので、急な変更を即座には受け入れない。
 →時間をかけて気持ちを整理してから、変更を受け入れる。
・事務的な対応で十分に対処できる場合を除き、初対面の相手とは一定の距離を置く。
 →見知らぬ相手に自己紹介することを避け、安全を確認できた時にだけ自己紹介する。
・安心して食事ができる環境が確保できない場合は、食事そのものをしない。
 →困難が想定される時は、移動しながらでも食事できるものを用意する。

これらはすべて自力で困窮を克服するために培ってきた努力の結果です。当事者自身の懸命の努力を否定しないでください。これらのことを取り上げて話題にしたり、中傷したりしないでください。善意悪意に関係なく、私を傷つける行為そのものです。

7.過度な要求はしないでください
私も社会を構成する人間の一人として、自らにできることは最大限の力を発揮したいと考えています。その一方で、どこまでが許容範囲なのか自身で線引きすることができません。無理を重ねては潰れ、断念しては自己嫌悪することの繰り返しです。人と違った言動をすることを責め立てたり、限界を試すような要求をすることは、どうか、なさらないでください。「もう大人なんだから」の言葉で切り捨てないでください。
決して成長を放棄している訳ではありません。人よりも「ゆっくり」なのです。このことを踏まえた合理的配慮をお願い致します。

【5】補足
(1)私の記憶違いや誤解による不適当な記述がありましたら、指摘をお願い致します。
(2)記述に不明や疑問な点がありましたら、その都度質問をして頂くようにお願い致します。
(3)この文書の一部または全部を転載し、私自身が意図しない解釈を導くために利用することは一切認めませんから、この旨の理解をお願い致します。

(最終更新日:2014年3月30日)

(※この記事へのコメントは、SNS上にて受け付けています。)

テーマ : 広汎性発達障害
ジャンル : 心と身体

プロフィール

かずや(京ヤワ)

Author:かずや(京ヤワ)
河津屋京柔/かずや(京ヤワ)は、京都府下在住の東方好きなMacユーザーです。
昔は電車小僧。今は鉄道おじさん。多分この先も?
広汎性発達障害があることを知ったのは、40歳手前のことでした。
開き直るほどタフじゃないけど、生きるのが随分と楽になりました。
毎週日曜日にキリスト教会に通う程度には信心深いようです。
ちまちまとパソコンでお絵描きしたりしていますが、最近は寡作気味です。

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